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つくば探索

 

【感謝の気持ちを持って】

今回は、私が介護職員になろうと、ここシニアガーデンに実習に来ていた時のことを書いてみようと思います。

実習生としてここに来ていたころは、まだ知識が少なかったせいか、利用者との距離や壁などをさほど感じることもなく、気楽に会話を楽しんでいたような気がします。

何人か印象に残っている利用者がいます。その中でも頑固一徹といった感じのお父さんと、元気なお母さんのご夫婦のことは今でも時々思い出します。
本当に人は見かけによらないものですね。そのお父さんには、無口であまり話をしないような印象を持っていましたが、思い切って声をかけてみると、後から後から事細かく自分の事を話してくれたのです。

お父さんは会社を退職された後、いろいろなことに挑戦してきたようで、趣味も多彩にありました。
特に彫刻は10年近く続けていたそうで、材料や道具にはこだわりがあり、道具はすべて岐阜県の関市で揃えているとのことでした。私自身同じような趣味を持っているため、たくさん質問をしてしまったことを覚えています。そんな私の質問にも、楽しそうにまた情熱的に答えてくれたのがとても印象的でした。

利用者とどうコミュニケーションをとっていいのかわからず、一歩踏み出せずにいた時だったので、このお父さんとの出会いは、自分にとってとても大きなものでした。

ここに勤務するようなってからは、担当が違った為、お会いすることが少なくなりましたが、たまにすれ違ったときなどにはいつも声をかけていました。しばらくして、お母さんだけが来ていることに気づき声をかけてみると、お父さんは亡くなられたということでした。亡くなられたことを聞かされたときは、とても寂しく残念な思いがこみあげてきて言葉に詰まってしまいましたが、「やりたいことをやって逝ったからきっと満足しているよ」と笑顔でいってくれたお母さんの言葉で、あの時楽しそうに話していたお父さんを思い出し、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

この仕事は、出会いと別れ、喜びと悲しみをたくさん経験する仕事です。
辛い時もありますが、その時その時に感じた気持ちが、自分を成長させてくれているような気がします。
これからもたくさんの出会いと別れを経験すると思いますが、いつも感謝の気持ちを忘れず、利用者と接していきたいと思っています。

百 龍